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別府社長の手帖19
「倫太郎のゆめ」
文章 別府マサ子 2015年2月20日更新
今回の「別府社長の手帖」は特別編!
「別府社長の母の手帖」です。
ぼくがある日、「面白い夢を見たんだ!」と言ったら
面白そうに母がパソコンでカタカタと打っていた文です。
読んでみたら、とても面白かったのでただ載せたいと思います。
「ゆめみちゃったぁー。」
にんまりと夢見心地で倫太郎がいう。
その顔からしてまたいい夢見たなと分かる。
倫太郎は妄想ともいえる夢のような本当の夢を見れるのだ。
あこがれの人に夢の中で会い、夢のような体験を夢の中でする。
今日もそんな夢だったらしい。
にんまり笑顔がそういっている。
「糸井重里からメールが届いたんだ。」
糸井重里さんは倫太郎の憧れの人でもある。
毎日が糸井重里の日、という時期もあった。
「ほぼ日」の更新を毎日パソコンの前で待ち、
糸井重里さんから生姜シロップのつくり方を学び、
ほぼ日手帳を愛用し、尊敬する吉本隆明さんの存在を知ったのも、糸井重里さんからだった。
まさにスポンジのようにごくごくと糸井重里エキスを吸っていったのだ。
そんな時期にも、2回ほど糸井重里さんの夢を見ていた。
2回とも糸井重里さんを前にして、急に身動き取れずに行き倒れて、「あぁ〜〜。」という感じ。
大切な時に動けない現実の病気の体をも悔しく思う程、その夢はリアルだったのだろう。
「そのうち会えるかもよ。ホントに。」という慰めの言葉にも
「ほんとに会っちゃったら、嬉しくてほんとに倒れちゃうよ。だから夢でいいんだ。」
と夢で大満足の倫太郎だったのだ。
それから、充分に糸井重里エキスを吸った倫太郎は、今や思い出したように糸井重里の世界を見に行く。
別に飽きたわけでもなく、ある時期十分にしっかりと糸井重里エキスを取り入れたから、
今は必要な時必要な分だけ取り入れに行く。
そんな自然な営みが、私はいいなとおもうし、「ほんもの」とおもう。
そんなこんなで、また今日は糸井重里さんの夢を見たという。
やっぱり、にんまり嬉しそうな倫太郎。
でも、ひとつだけ違うのは「にんまり」に「自信」のような貫禄がついてるのだ!
どうやらその自信は、今度は行き倒れにならなかったらしいのだ。
「あのさ、糸井重里さんからさぁ。メールもらったんだ。
倫太郎の絵にすごく感激してくれて、絵を描いてほしいって頼まれたんだ。黄色を基調にしてって。」
黄色は「ほぼ日」カラーである。なんてリアルで夢のような話なんだろ。
「やったぁ、倫太郎、絵で稼げる」と欲丸出しの母に、
「なんか、夢の中でもママそんなこと言ってたよ」と倫太郎、
夢の中まで欲深い自分に反省しました。
あはは。
ともあれ、倫太郎本人は糸井重里さんに夢であろうが現実であろうが
お会いできることが嬉しくて、その嬉しさは、確かな「しあわせ」なんだなということが、
あのにんまりから感じることができた。
私はその「にんまり」を見たり聞いたりすることが幸せなんだなと感じた。
やっぱり糸井重里さんのすることってすごいんだな、人の営みってすごいんだな、と思いました。
次の「倫太郎の夢」のお話は、吉本隆明さんの夢です。お楽しみに。