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別府社長の手帖11
「息子のまなざし」
文章 別府倫太郎 2014年7月5日更新
僕が、「漫画ブッタ(手塚治虫)」と一緒に、
借りてきた映画が、ある。
それは「息子のまなざし」という映画だ。
見たい映画ないかな〜、とふらふらしていたら、
「まなざし」という言葉が目についた。
それがきっかけで借りて見ることにしてみた。
もし、題名がちがっていたら、僕は、
この映画と出会わなかったと思う。
それほど、「まなざし」に興味があるのだ。
早速、家にかえり、最初の一時間を見た。
最初は、ちょっと「不思議な」映画だな、というふうに思った。
カメラの撮り方、演技のしかた、仕草、物語。
そして、その「不思議な感じ」をもちながら、
その日は、そのまま寝てしまった。
つぎの日、あとの一時間を見る。
きっと、また「不思議な感じ」で始まるんだろうな〜と
思っていたのだが、ふしぎと、そんな感覚がいっさいなかった。
逆に、その世界が恋しくなってしまった。
昨日まで、不思議にみえた、
演技や物語、仕草、全てが、「まなざし」に見えてきたのだ。
この映画は、激動的な映画じゃない。
ふつうに、過ぎていく「時間」を捉えた作品なのだ。
その感じが、よけいに「まなざし」を強くする。
終わったときも、「チャンチャン!!」という感じではなくて、
「ふっわ〜〜」と終わるのだが、その感じが良い。
映画ではでてこない、大工のオリヴィエの
子ども時代や、そのまえに何があったか、とかを想像してしまう。
主人公のフランシスもそう。
つまり、「ひとつの物語」ではなくて、
「あるひとたちのちいさな時間」というものを
切り取ったかんじのような気がする。
それだけ、すごい作品なのだ。
「息子のまなざし」、
見るか見ないかは、あなた次第ですが、
もし見かけたら、ぜひ、見てみてください。
息子のまなざし公式ホームページ
http://www.bitters.co.jp/musuko/
作者
別府倫太郎 プロフィール

2002年12月5日生まれ。
新潟県十日町市在住。
3年前から始めた「別府新聞」の社長でもあり、
別府新聞のたった一人の社員でもある。
「学校に行っていない思想家」「ポレポレぼうや」など
色々な呼び名がある。