別府新聞社は新潟の十日町市という所にあります。
米どころでもあり、豪雪地帯としても知られている新潟十日町。
その十日町にも冬が来ようとしています。
ミカンを食べすぎる冬。
布団から離れられない朝。
スルメをストーブの上で焼くお茶の時間。
そんな雪国のくらしが来ようとしています。
雪国のくらしは不思議で面白いです。
独特の空気感があります。
雪国の人は冬と繋がっていて雪に溶けちゃったんじゃないかと思うほどです。
ここでは江戸時代に発行された「北越雪譜」(これも雪国のくらしについて書いた本)を片手に
そんな雪国のくらしを書いていきます。
(もちろんミカンを食べすぎて手が黄色くなったとかも・・・)
▲ここが新潟県十日町市。
新潟県十日町市
2月15日15時現在の情報 (別府新聞社本社前の情報)
外気温 1.0℃ 積雪量175cm
雪国くらしの手帖 きせつ特集
雪国の正月 行事編
鳥追い
雪国の行事、今日は「鳥追い」です。
まず、「鳥追い」とは何?ということですが、
「鳥追い」とは、その名の通り「鳥」を「追う」行事です。
スズメやカラスなどの害鳥が田畑を荒らすので、それをふせぐために鳥を追うんです。
そして、この「鳥追い」というのは、「鳥追いの唄」というのを歌い、
拍子木を叩き鳥を追い払います。
これが、「鳥追い」です。
この「鳥追い」、実は昔、子どもの行事でした。
子どもが歌い、集まる行事だったのです。
今も、その時、子どもだった、おじいちゃんとおばあちゃんの口伝えで
「鳥追い」のことは知られています。
しかし、この「鳥追い」、今はあまり行われていません。
なので、この記事を書いている僕、
子ども(11)の別府新聞社長、別府倫太郎(ポレポレぼうや)が
「鳥追い」をすることにしました!
そして、鳥追いが行われる1月14日の夜・・・
−6℃という極寒の中、「鳥追いの唄」を歌うために外に出ました。
近所中を歩き回り、僕の美声(???)が鳥追いの唄を歌います。
では、そんな僕の美声と共に鳥追いの唄をどうぞ。
鳥追いの唄 歌詞 (北越雪譜より)
あの鳥、どっから追ってきた
信濃の国からおってきた
何を持っておってきた
柴ぬいておってきた
柴(しば)の鳥も河辺(かば)の鳥も
立ちやがれほーいほーい
そして、この「鳥追いの唄」を何回も何回も歌い
近所中を歩きまわり・・・ついに終わりました。
かなり寒いですが、「雪国独特の雰囲気」みたいなものが
少しつかめたような気がします。
これからも、こういった行事や人、色んなところに残っている
「雪国の雰囲気」を探していきたいと思います。
そして、この記事を読んで下さっている皆さんに少しでも、
雪国のことを想像していただければ、こんなに嬉しいことはないです。
次も、そんな雪国の行事をお伝えしますね。
(雪国の正月「鳥追い」 終わり)
雪国くらしの手帖いままでのタイトル
その1 「えびす講の巻」 2013-11-21更新
その2 「はなちゃん登場の巻」 2013-11-22更新
その3 「ばあちゃんのこうこの巻」 2013-11-23更新
その4 「塩沢宿の巻」 2013-11-27更新
その5 「雪国の過ごし方」 2013-12-22更新
その6 「雪の未来」 2013-12-22更新
その7 「雪国の正月その1」 2014-2-2更新
その8 「雪国の正月その2 どんど焼き」 2014-2-11更新
その9 「雪国の正月その3 鳥追い」 2014-2-15更新
その10「雪国の正月その4 むこ投げ・墨塗り」 2014-3-15更新
その11「団子まきの巻」 2014-3-21更新
その12「野沢菜漬けの巻」 2014-11-11更新
その13「お手玉」 2014-12-31更新
別府新聞ホームへ戻る