別府新聞社は新潟の十日町市という所にあります。

米どころでもあり、豪雪地帯としても知られている新潟十日町。

その十日町にも冬が来ようとしています。

ミカンを食べすぎる冬。

布団から離れられない朝。

スルメをストーブの上で焼くお茶の時間。

そんな雪国のくらしが来ようとしています。

雪国のくらしは不思議で面白いです。

独特の空気感があります。

雪国の人は冬と繋がっていて雪に溶けちゃったんじゃないかと思うほどです。

ここでは江戸時代に発行された「北越雪譜」(これも雪国のくらしについて書いた本)を片手に

そんな雪国のくらしを書いていきます。

(もちろんミカンを食べすぎて手が黄色くなったとかも・・・)





▲ここが新潟県十日町市。




新潟県十日町市

12月27日16時現在の情報 (別府新聞社本社前の情報)

外気温 0.9℃ 積雪量20cm



雪国くらしの手帖の番外編コーナー「雪国今昔ものがたり」。

その名の通り新潟県十日町市を中心に色んな人に雪にまつわる話を聞いていきます。

第一話は僕と仲良くさせてもらってる骨董品店主の話です。

ちなみに骨董品店主さんの話が面白くて割愛できなく第2話に分けてやる事にしました。

ではどうぞ。


「雪国今昔ものがたり第二話 雪の未来」

雪国今昔ものがたり。今回は第二話です。前回、第一話でも言いましたが

骨董屋店主の話を2つの話に分けてお送りしています。

今回は最後。第2話です。どうぞ。



僕はずっと前から雪はきっと奪いあうだろうという事を信じてきてる。

冗談としてよく言っているけど「それは、おら家の雪だからもっていかないでくれ」という時代が

必ず来るだろうと。その位、雪って貴重なもの。

ただ、この辺(十日町市・隣町津南町の豪雪地帯)は雪に対して辛い思い出しかない。

僕が考えているのは雪を丸く固めて転がす。すると屋根の上からでも、どこでも良いのだけれど

そのまま自然に貯蔵庫へ行くルートが出来るという事。

これは雪を降ろして運ぶとダメ(疲れるし時間がかかる)だから思いついた事です。

それである社長に丸っこい球(雪)を作る機械を作れないかと言ったんです。

なんで僕がこんな事を言うかというと雪は氷と違って空気がいっぱい入っているので

溶けにくいから。雪と氷っていうのは基本的には同じ材料だけど出来方がちょっと違う。

氷っていうのは水が凍ったものだけど雪っていうのは水蒸気が凍る。

決して雪は氷の道を通らないで水蒸気がいきなり凍ってできるという分け。

それから氷を別の形にするというのは非常に難しいというか一回、溶かしきらないと形を変えられない。

でも雪って今のままで形を変えられるという特徴があるのでそれを利用すると色々な事が出来るんじゃないかと・・・

もうちょっと若かったら、そういうのをいたずらにしたいなぁと思っていた。(笑)

というのも余りにも雪で苦労するじゃない。屋根の上の雪を下すのも屋だし。余計なお金がかかるし

人とのトラブルも雪が元っていうのは色々ある。雪を川に入れると水の流れが滞ったり・・・

そういうのを解消するには「それは、おら家雪だから」っていう時代になる事。

そうなったら、だまっても除雪をする。

例えば秋、これから雪が降る時に業者の方が来て雪の競り市が始まる。

「おら家の雪は、どこどこの会社に全部きれいに持っていてってもらう」という風に

そういった事がいつか訪れるんじゃないかと思う。(笑)

それが雪の大変さの中で思った僕の雪にまつわる、お話です。

(雪国今昔ものがたり 第二話 終わり)







雪国くらしの手帖いままでのタイトル

その1 「えびす講の巻」 2013-11-21更新

その2 「はなちゃん登場の巻」 2013-11-22更新

その3 「ばあちゃんのこうこの巻」 2013-11-23更新

その4 「塩沢宿の巻」 2013-11-27更新

その5 「雪国の過ごし方」 2013-12-22更新

その6 「雪の未来」 2013-12-22更新

その7 「雪国の正月その1」 2014-2-2更新

その8 「雪国の正月その2 どんど焼き」 2014-2-11更新

その9 「雪国の正月その3 鳥追い」 2014-2-15更新

その10「雪国の正月その4 むこ投げ・墨塗り」 2014-3-15更新

その11「団子まきの巻」 2014-3-21更新

その12「野沢菜漬けの巻」 2014-11-11更新

その13「お手玉」 2014-12-31更新


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