別府新聞社は新潟の十日町市という所にあります。

米どころでもあり、豪雪地帯としても知られている新潟十日町。

その十日町にも冬が来ようとしています。

ミカンを食べすぎる冬。

布団から離れられない朝。

スルメをストーブの上で焼くお茶の時間。

そんな雪国のくらしが来ようとしています。

雪国のくらしは不思議で面白いです。

独特の空気感があります。

雪国の人は冬と繋がっていて雪に溶けちゃったんじゃないかと思うほどです。

ここでは江戸時代に発行された「北越雪譜」(これも雪国のくらしについて書いた本)を片手に

そんな雪国のくらしを書いていきます。

(もちろんミカンを食べすぎて手が黄色くなったとかも・・・)





▲ここが新潟県十日町市。


新潟県十日町市

2月11日15時現在の情報 (別府新聞社本社前の情報)

外気温 1.5℃ 積雪量110cm





雪国くらしの手帖 きせつ特集

雪国の正月 行事編

こんにちは。

前回に引き続き、雪国の正月をお送りします。

さて、今回は「雪国の行事」ということですが、

ここ十日町にも色々と行事があります。

この記事を読んで、「今日は、あの行事の日だな」と

想像をふくらませていただければ嬉しいです。

(雪国の行事はシリーズでお伝えします)



どんど焼き

まず、初めに取材するのが「どんど焼き」。

僕の家の近くにある神社「鎮守様(ちんじゅさま)」で

「どんど焼き」は行われます。

「鎮守様」は、その名の通り僕たちを静かに見守って下さっている神様。

そして「どんど焼き」とは、一年の間、お世話になったお守りや締め縄、

ダルマ、お札まで、そういった一年間「見守ってくれた」ものを感謝して焼くという行事です。

「見守ってくれた」というのは、鎮守様と同じですね。

ちなみに「どんど焼き」を民俗学的に言うと

「門松や締め縄で、迎えられた年神様をそれらを焼いて天にかえす」

という言葉になります。

そして、「どんど焼き」が行われる日にちは小正月の15日。

ですが、ここの「どんど焼き」では休日の10日にやってしまいます。

僕の気持ちでは、「日にち」と「神様」は密接に関係しているので、15日にやってほしいのですが・・・

さて、そんなことは置いといて、いよいよ10日になりました。

「どんど焼き」が始まります。





おじいちゃんもおばあちゃんも、大人も僕も、みんな「鎮守様」に集まってきました。





そして、これが締め縄やダルマやお札やらが括りつけられた「どんど焼き」の本体。

これに火をつけていきます。

火をつけるのは、今年の年男。ちなみに僕も年男なので火をつけさせてもらいました。

そして、どんどん燃えていきます。





で、写真のように火の具合がちょうどよくなったら、

あることを始まます!ジャ〜ン!



釣り合戦?いいえ違います。

「するめ」です。「どんど焼き」の火で、するめを焼くのです。

美味しそうでしょう?





後は、するめ以外にも甘酒やミカン、子どもにはお菓子まであり、

おばあちゃん達は、その甘酒を飲みながら、おしゃべりをしています。

しかし、そのお祭りのような騒ぎも火の鎮火と共に終わり。



だんだんと火がおさまっていって、終いには火が消えてしまいました。



そして、これで「どんど焼き」は終わり。

年神様も無事、天にのぼっていったはず。

来年の正月まで、天から僕たちを見守ってくださいますよう、お願いします。

(雪国の正月「どんど焼き」 終わり)



雪国くらしの手帖いままでのタイトル

その1 「えびす講の巻」 2013-11-21更新

その2 「はなちゃん登場の巻」 2013-11-22更新

その3 「ばあちゃんのこうこの巻」 2013-11-23更新

その4 「塩沢宿の巻」 2013-11-27更新

その5 「雪国の過ごし方」 2013-12-22更新

その6 「雪の未来」 2013-12-22更新

その7 「雪国の正月その1」 2014-2-2更新

その8 「雪国の正月その2 どんど焼き」 2014-2-11更新

その9 「雪国の正月その3 鳥追い」 2014-2-15更新

その10「雪国の正月その4 むこ投げ・墨塗り」 2014-3-15更新

その11「団子まきの巻」 2014-3-21更新

その12「野沢菜漬けの巻」 2014-11-11更新

その13「お手玉」 2014-12-31更新


別府新聞ホームへ戻る