別府新聞社は新潟の十日町市という所にあります。

米どころでもあり、豪雪地帯としても知られている新潟十日町。

ここ、別府新聞でも、そんな雪のことを「雪国くらしの手帖」で取材してきました。

だけど、雪国も、「夏」はある。冬だけを取材して、終わりたくなかったのです。

だから、「雪国のなつ」は、雪国の夏というものをベースに

「暮らし」というものを探って行こうと思います。

ちなみに、「雪国のはる」をしなかったのは、

雪国いうのは、雪がとけると、まってました!とばかりに

ものすごい勢いで、草が生えてくるからです。

つまり、言い訳になってしまうのですが、あまりにも春がすぎるのが早すぎて

別府新聞も、取材できなかった、ということ。(笑) 

それも「雪国らしさ」ということで受け取っていただければ・・・

まぁ、それはさておき、ほんとうの「夏の暮らし方」をお届けしたいと思います。





▲ここが新潟県十日町市。





雪国のあき その3

「お米」


今、なんの季節か知っていますか?

そう、魚沼産コシヒカリの新米の季節です。

「雪国のなつ」というコーナーですが、 今は、もう秋になったので「雪国のあき」として書かせてもらいますね。(笑)

しかし、ぼくの家は、9月20日〜10月1日まで、稲刈りをやり、

色んな、人に送り、今を過ごしています。

それまで、稲を育て、田植えをして、稲刈りをして。

もちろん、雑草取りとか、そういう小さなことも、

じいちゃん、ばあちゃんは、半年間くらいずっとしてきたのです。

これは、本当にすごいことなんじゃないでしょうか。

自然というのは、ほとんど、「わからいこと」だらけなのに、

その「わからないこと」を精一杯してきたのです。

生き抜くために。


まず、ばあちゃんとじいちゃんは、

生き抜くために稲を育てました。

「田植え」が始まりみたいな、イメージがありますが

稲のタネ(もみ)をまくことから始めるのです。








▲トレイに土とタネを入れる。



すこし育つとこんな状態に。






そして、その少し芽が生えたイネを外に移し、並べます。





▲育てたイネを運ぶ、じいちゃん













その並べたイネの周りに棒を立て、ビニールをかぶせ、

ビニールハウスみたいな感じにしてイネを育てます。















このビニールをかぶせた日は大雨にみわまれましたが

じいちゃんは、すくっと立ち、仕事をしていました。

大雨というのも、じいちゃんにとって

田んぼの一部であり、生き抜くことなんですね。


それで、そのイネが育つと、可愛らしい感じになります。

この状態のものを田んぼに植えるのです。





そして、ここで少し、一休み。






それから、肥料や、除草剤をまきます。










そして、そして、これで大イベント「田植え」が始まります。








しかし、ほかの休んでいる写真とか、肥料をまいている写真は

たらふくあるのですが、田植えの写真がなかなか、ありませんでした。(笑)

でも、これもぼくの一部として、捉えていただければと思います。(笑)

それで、田植えのときは、家にいても大忙し、外にいても大忙しな感じなのです。

親戚などを集めて、大勢でやるので、外も、もちろん大変だし

家のなかでは、親戚の料理を作るために忙しい。

それが「田植え」なのです。


それで、それから、夏は、じいちゃんが毎日、毎日、

田んぼの水を見に行って、丁寧に調節します。

それは、食べるためというか「生き抜く」ため。

家に居るときは「なんだ!このじいちゃん」と思うときもありますが、

農作業をやっているとき、ふっと風がふくように何だか後光がさしているような

感じがするときがあるのです。(笑)

なんだか、不思議ですよね。

さて、その夏がすぎ、今の「あき」になると、やっと稲刈りになります。


そんな、あるとき、精米をしに近くの米屋さんに行ったところ、

(精米とは、玄米を白米に変える家庭のことです)

なんとも、言えない大きなトラックがあったのでした。

急いで、家に帰り、カメラをもってきて、取材を始めました。







すると、お米を運んで、積んでトラックにのせています。

しかも、こんな量を!





そして、トラックの大きさも尋常じゃありません。

この大きさ!!







実に、340俵(680袋)20トンのお米が積まれているそうです。

しかも、この魚沼産コシヒカリ、北海道まで行くらしく

新潟の海の方へ行き、フェリーにのって、ダイエーデパートに向かうらしいです。





こちらは、200俵(400袋)12トンの米が

兵庫のトキワデパートに車で、ずっと行くらしいです。

魚沼産コシヒカリが北海道から兵庫まで行くということは、

コシヒカリは、こんなにも美味しい、ということなんですね。

家のじいちゃん、ばあちゃんが作ったお米も、兵庫に

行っているらしいので、何だか嬉しい気持ちになりますね。


そして、家でも新米、もちろん食べます。

床の間に、神棚に、仏壇に。

みんな、勢揃い(?)で、新米をお祝いし心地よく。







お米が甘い!甘い!

そして、その夜、ばあちゃん、じいちゃんに

お米が兵庫まで行っているんだよ、

と話しながら、お米をいただきました。

お米って、やっぱり美味しい!

そして、生き抜いているんだと、改めて思った、ぼくでした。


(雪国のあき お米 終わり)






雪国のなつ いままでのタイトル

その1「ちまき」 2014-6-22更新


その2「祇園祭り」 2014-7-16更新


その3「お米」 2014-10-14更新


その4「ぜんまい・木の芽」 2015-5-22更新


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