別府新聞社は新潟の十日町市という所にあります。

米どころでもあり、豪雪地帯としても知られている新潟十日町。

ここ、別府新聞でも、そんな雪のことを「雪国くらしの手帖」で取材してきました。

だけど、雪国も、「夏」はある。冬だけを取材して、終わりたくなかったのです。

だから、「雪国のなつ」は、雪国の夏というものをベースに

「暮らし」というものを探って行こうと思います。

ちなみに、「雪国のはる」をしなかったのは、

雪国いうのは、雪がとけると、まってました!とばかりに

ものすごい勢いで、草が生えてくるからです。

つまり、言い訳になってしまうのですが、あまりにも春がすぎるのが早すぎて

別府新聞も、取材できなかった、ということ。(笑) 

それも「雪国らしさ」ということで受け取っていただければ・・・

まぁ、それはさておき、ほんとうの「夏の暮らし方」をお届けしたいと思います。





▲ここが新潟県十日町市。


新潟県十日町市

2014年6月27日10時現在の情報 (別府新聞社本社前の情報)

外気温 28℃




雪国のなつ その1

ちまき


「三角ちまき」、それは新潟の人にとっての、「おやつ」。

ちまきを、「きなこ」につけて、ほおばる。

今回は、その「三角ちまき」を取材します。





そもそも、「ちまき」というのは、

もち米を笹の葉にくるみ、それをゆでたもの。

きなこにつけたり、ごましおにつけたり、

醤油をつけて、焼いたり・・・

そうやって、食べるものです。

では、なぜ今ごろ、「ちまき」を取材するのか。

それは、ちょっと先になりますけど、

7月1日に、「田休み」というのがあるからです。

「田休み」というのは、田植えが終わったので、休もう、

というお休みなのです。

むかしは、手作業だったこともあり、6月いっぱいまで、

やっていたんですね。

そこで、登場するのが「ちまき」なんです。

田植えで、疲れた体を「ちまき」で癒すんですね。

だから、今、取材するのです。

それでは、新潟県十日町で、行われた、

ばあちゃんたちの「ちまき」つくりを覗いてみましょう。

まず、「ちまき」というのは、葉っぱがないと、いけません。

僕のところで、使われるのは、「笹」。

家の近くにある、竹林からとってきたものだそうです。




ちなみに「ちまき」というのは、保存食。

笹の殺菌、防腐作用が、きいているということですよね。

そして、有名な新潟の上杉謙信さんも戦のときに食べたそうですよ。

その「笹」、まずは水洗いをします。

水の音が、涼しげですよね。





そして、水洗いをしたあとに、さっとゆでるのだそうです。

これで、笹の準備完了。

そして、いよいよ、「ちまき」を作ります。

作ってくれるのは、ぼくのばあちゃんと、「あたしゃ」のばあちゃん。

材料は、笹と、




あと「ちまき」を巻く用の草「すげ」、




そして「もち米」。




この材料が、ばあちゃんたちの手にかかると、

「ちまき」になるのです。





笹の中にもち米を入れて、また、笹でくるんで「すげ」で巻く。

方言まる出しのおしゃべりをまじえながら、

このくりかえしで、「ちまき」はできていきます。





そして、いつのまにか、こんなたくさんに。




そして、それを一時間強、煮ていきます。




そしたら、「ちまき」の出来上がり。

さっそく、「ちまき」をきなこにつけて、食べている、じいちゃん。




ほうばります。美味しそう。

なんだか、僕も食べたくなってきました。

しょうゆ、きなこ、ごましお。

なににつけてもいい、「ちまき」。

ぼくの家の夏の風物詩です。

(終わり)


(雪国くらしの手帖その11「団子まき」終わり)



雪国のなつ いままでのタイトル

その1「ちまき」 2014-6-22更新


その2「祇園祭り」 2014-7-16更新


その3「お米」 2014-10-14更新


その4「ぜんまい・木の芽」 2015-5-22更新


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