別府新聞社は新潟の十日町市という所にあります。

米どころでもあり、豪雪地帯としても知られている新潟十日町。

ここ、別府新聞でも、そんな雪のことを「雪国くらしの手帖」で取材してきました。

だけど、雪国も、「夏」はある。冬だけを取材して、終わりたくなかったのです。

だから、「雪国のなつ」は、雪国の夏というものをベースに

「暮らし」というものを探って行こうと思います。

ちなみに、「雪国のはる」をしなかったのは、

雪国いうのは、雪がとけると、まってました!とばかりに

ものすごい勢いで、草が生えてくるからです。

つまり、言い訳になってしまうのですが、あまりにも春がすぎるのが早すぎて

別府新聞も、取材できなかった、ということ。(笑) 

それも「雪国らしさ」ということで受け取っていただければ・・・

まぁ、それはさておき、ほんとうの「夏の暮らし方」をお届けしたいと思います。





▲ここが新潟県十日町市。


新潟県十日町市

2014年7月17日10時現在の情報 (別府新聞社本社前の情報)

外気温 25.6℃





雪国のなつ その2

祇園祭り


とんとことん、とんとことん・・・

太鼓の音が聞こえてきます・・・










今、僕が、居るのは「祇園(ぎおん)祭り」が

行われている津南町の大井平(おおいだいら)です。

この「祇園祭り」というのは、疫病をはやらないように、

そして、五穀豊穣を願う祭りです。

そして、その祭神というのが、天照大神の弟、

スサノオノミコトと牛頭天王(ごずてんのう)が、習合したものなんです。

習合というのは、神と神が一体になるという意味なんですね。

そして、どっちも、少し乱暴で、疫病神でした。

この「祇園祭り」は、つまり、疫病神である

スサノオノミコトと牛頭天王を和ませることによって、

疫病を防ぐ、という祭りのこと。

疫病が、はやりやすい夏に入ろうとしている、

七夕に、おこなわれます。

言い忘れてましたが、なんと300年くらいの歴史が、

あるんだそうです。ということは、

江戸時代から、この大井平地域では、「祇園祭り」が

行われていたんですね。

さて、先程、たいこの音が、聞こえてきましたが、

そろそろ、神輿が、きそうです。

この神輿、神社から来て、「善福寺」というお寺で、

折り返すのですが、このルートに、実は秘密があるんです。

どういうわけかというと、この大井平地域は、

入口に神社、出口にお寺が、あります。

それには、ちゃんと意味が、あるんです。

それは、集落の入口出口に神社やお寺があると、

祇園祭りと同じように「疫病が入らない」、

「災難が入らない」など、そういう意味があるんですね。

とくに、どっちが、入口だとか、そういうことは

関係ないそうなのですが、

入口出口に、お寺と神社がある集落が多いそうです。

別府新聞社がある、十日町市の新宮集落もそうでした。

あなたの集落、地域は、どうでしょうか?

もし、今は、なくとも、昔、そこに神社・お寺が

あったかもしれません。

ぜひ、探して見て下さい。

さてさて、本題に戻りますが、

こんな話しをしているうちに神輿がきました。













だいぶ、皆さん、よってますね・・・





でも、お酒というのは、「お神酒」といって、

神と一体になるという意味があるんだそうです。

だからといっても、やっぱり飲みすぎには注意!(笑)

酔っぱらうと、ふらふらになって、神輿が、

落っこちちゃいますからね。

さて、そんな神輿が、「善福寺」につきました。

そこで、ちょっと一休み。

石のうえに神輿をおきます。




休んで、いるときにこんなものも、もらっちゃいました!




さて、休んだら、また出発です。




ちかくの公民館に神輿を戻しにいきます。










これまた、すこし危なそう・・・

しかし、今年も無事に戻せました。

そして、最後に宮司さんが来て、「五穀豊穣」などを願います。













ヘンな感想ですが、何だか聞き入ってしまいました。

さてさて、これで、神輿は、終わり。

でも、このあと、僕は、祭り気分が続いて、

友だち(?)の善福寺のお坊さんと5時間くらい話していました。

このお話は、また別府新聞に載せるので、

楽しみにしていてください。(笑)

しかし、この「祇園祭り」、「民間信仰」のほんとうの姿を

見れたような気がします。

取材のこととは、関係なく、また来年もぜひ、行きたいと思う、

そんな色んな意味で、雰囲気が良いお祭りでした。

本当にありがとうございました。

(終わり)






雪国のなつ いままでのタイトル

その1「ちまき」 2014-6-22更新


その2「祇園祭り」 2014-7-16更新


その3「お米」 2014-10-14更新


その4「ぜんまい・木の芽」 2015-5-22更新


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