ジャズのサックス・フルート・バスクラリネット奏者である、

エリックドルフィーというひとが、のこした言葉があります。

それは、「音楽は終わると、空中に消えてしまう。もう一度、とり戻すことはできない」という言葉。

このコーナーでは、その「空中にきえた音楽」をジャズが好きな

別府新聞社長、別府倫太郎が探っていきたいと思います。






第一回 「不調和」ということ

エリックドルフィー プロフィール


アメリカ合衆国ロサンゼルス生まれ。

ジャズのバスクラリネット、アルト・サックス、フルート奏者。

古典的なジャズと前衛ジャズを融合し、

少しアクセントを加えたような、音楽が特徴的。

生年月日: 1928年6月20日

生まれ: アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス

死没: 1964年6月29日, ドイツ ベルリン




今日の一枚



「LAST DATE」

エリックドルフィー


ドルフィーが亡くなる、27日前に録音されたレコード。

ここで、説明しても、なんだから、

ネットやら、CDやら、レコードやらで聞いてみて。







「空中に消えたもの」



エリックドルフィー。

そのひとのことを初めて知ったのは、

「LAST DATE」というレコードでした。

「ちょっと、聞いてみて」と嬉しそうに

そのレコードをもらい、聞かせてもらいました。

JAZZの知識も、何もしらない、僕ですが、

「好き」という感覚で、聞きました。

「LAST DATE」をすりきれるほど、聞きました。

どんどん、どんどん、どんどん、聞いて、

その音楽をじっくり「読んで」いくうちに思いました。

それは、エリックドルフィーの音楽というのは、

「自然にある存在」が聞こえてくるという、ことです。

それは、「不調和」のなかに、ある「調和」ということ。

すらすらと水のように、風のように、

または、火のように、土のように。

エリックドルフィーの音楽は、自然が、何もかもを

一体化してしまうように、「つながり」というものが、つよいのだと思う。

「不調和」ともいえる音が、一つ一つ、

ドルフィーの手にかかると「つながって」いくのだ。

そして、僕たちも、聞いていくうちに、

その「つながり」というものに、どんどん「気づいて」いく。

それが、レコードから伝わってくる瞬間が、

最高にきもちよすぎるのだ。

ドルフィーは、こんな一言をのこしている。


「音楽は終わると、空中に消えてしまう。

もう一度、とり戻すことはできない。

When you hear music, after it's over,

it's gone in the air.

You can never capture it again.」


この「空中に消えてしまったもの」というのは、

音と音との「つながり」だと思う。

エリックドルフィーは、きっと、

「不調和音」の唯一の友だちだったのだ。

エリック・ドルフィーも空中に消えてしまったけど、

僕の手元には、数枚のレコードがのこっている。


別府倫太郎


(終わり)



その1「不調和ということ」 2014-6-22更新


その2「ほんとうの「愛」ほんとうの「応え」 2014-8-3更新


その3「そのままのシナトラ」 2014-1-12更新


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