別府新聞社長、別府倫太郎が好きな本をただただ

紹介するコーナー。本屋さんの本棚を見るように

読んでいただければと思います。

ちなみに「忠兵衛」とは、ぼくの家の屋号からとったものです。









忠兵衛堂書店2

「バカボン」赤塚不二夫さん



今日の本「バカボン」



漫画家、赤塚不二夫の代表作。

「これでいいのだ」に始まるバカボンのパパ、

そして、バカボン一家、目ん玉つながりのおまわりさん、ウナギイヌ、

バカ田大学生、レレレのおじさん、色々なキャラが生み出す「バカボン」の世界。

その世界は、いつ読んでも面白いことに変わりはありません。

竹書房文庫 「バカボン」1巻〜21巻

(詳しくは赤塚不二夫公式ページへ

http://www.koredeiinoda.net/)





文章 別府倫太郎 2015年1月26日更新


ぼくは、入院している。

小児ネフローゼの新しい治療法のために

3泊4日で入院している。

ちなみに入院するのは、今回で6回目。

病室は、ぼくの考えの源と思っていいほど、

色々なことを病室でぼくは考えている。

ちなみに、入院するとなると、ぼくは本をもっていくことが

必須なのだが、今回の入院は「バカボン」をもっていった。

最近、読み始めたばかりなのだが本当に面白い。

家で読んでも、病室で読んでも、電車で読んでも面白い。

ぼくは、今、いっぱい読みすげて、意識の半分は

「バカボン」の世界にあるほど、面白い。

バカボンは面白い。

このバカボンは、漫画でいえばかなりの「古典」だが

本当にこの漫画は「濃いな」と思うのだ。

そして、ぼくが「バカボン」のすごいところを一つ

あげるとすれば、それは水と油が合わさっていることだろう。

それがさきほどの「濃いな」にもつながるのだが

ぼくが言いたいのは、子供のような面白いことを

考える世界、バカな世界と現実が入り混じっている、ということだ。

そのどちらが水か油かは、ご想像にお任せするが

ようするにこの「バカボン」を作ることは、水と油を

混ぜることと同じくらい、むずかしい。

本気でぼくはそう思っている。

現実の世界もあるし、なおかつ微妙な割合で

そこにただたんに面白いを考えてできたギャグを入れる。

「バカボン」の世界は、現実と妄想のはざま、

すきまにある世界なので、その割合がぜったいに必要なのだ。

そして、それが世界の多くの人に愛されるゆえんだと

思うのだ。そして、すきまの世界、つまりバカボンの世界というのは

どこかなつかしさやむなしさを感じられる。

それは、やはり昔、自分がその妄想と現実の世界の

すきまにいたからだろう。だから、ぼくはどこか読んでいると

心地よい。一冊くらいすぐに読んでしまうのである。

矛盾のような不思議なような、その世界にいつでも、

いつまでも、入り込んでいける。

これは、バガボンのすごさだろう。

昔、ぼくは「世界は矛盾でみちあふれている」と言ったが、

本当にバカボンは矛盾でみちあふえているな、とも思う。

「これでいいのだ」という有名な一言があるが、

その矛盾もバカボンの力でやさしく包み込まれるのだ。

さて、そんなことを言っているうちに、ぼくは

バカボンを一冊、読み終えてしまった。

そして、またぼくの手は次のバカボンを探すのだ。

このままでは、もう時期、買った分がなくなってしまう!

そう思った僕は、退院したら、神保町にでも行き

「バカボン」のつづきを買うことに「さんせいのはんたい」

するのである。またバカボンの力で図書カードが

減っていく・・・そんな、ぼくの話しでした。














作者

別府倫太郎 プロフィール




2002年12月5日生まれ。

新潟県十日町市在住。

3年前から始めた「別府新聞」の社長でもあり、

別府新聞のたった一人の社員でもある。

「学校に行っていない思想家」「ポレポレぼうや」など

色々な呼び名がある。